今回は、体外受精のリスクについて説明します。

前回、体外受精を受けるかどうか迷う理由に、「体外受精の成功確率」
の問題があることを説明しました。

ただ、体外受精には、成功確率の他にもいくつの
リスクがあります。

では、体外受精のリスクとはどのようなものが
あるでしょうか?

一般的に言われる(噂される)体外受精のリスクを
まとめると次のようになります。

■流産の確率が高まる
■双子が生まれる確率が高まる
■薬による副作用

こられの内容は、本当に医学的な見解に基づいた見解と
一致するかを確認する必要もあるのではと思われます。

現代の日本では、生まれてくる赤ちゃんの50人に
1人は、体外受精による出産と言われており、
年々、体外受精で出産される赤ちゃんの割合が
増えています。

そこで、自然妊娠と体外受精で、障害児が生まれる
確率を比較したところ、どちらも1.2%前後
で、
ほとんど差はみられませんでした。

つまり、体外受精により、障害児が生まれる確率
が高くなるという実証的なデータは今のところ
ないように思えます。


   (画像:メディカルイラスト図鑑)

次に流産の確率について調査したところ、自然妊娠
における流産の確率は15%前後ですが、体外受精は
22%前後と確かに高い傾向にありました。

これを見ると、体外受精の方が自然妊娠よりも流産の
危険性が確かに高い傾向にあります。

しかし、体外受精で出産する女性の年齢は、通常の
平均出産年齢より高いです。

つまり、体外受精を行う女性の年齢は、高齢の
世代になります。

高齢になれば、自然妊娠においても流産の確率は
当然高くなります。

そして、若い世代で体外受精を受ける場合においても
元々、自然妊娠ができない体質という点も流産の
原因となっております。

そのため、一概に体外受精は自然妊娠より
流産の危険性があるとは断定できない
面が
あるのです。

(続く)

すずらん鍼灸院
大島宏明